クリーティングコートは主に4種類。
ピッチレスコート、窓ガラスコート、P113、P8コートのそれぞれで、できることや得意な素材が異なります。
4種類のクリーティングコートは補完しあっている
もしできないことがあっても4種類がそれぞれ補完しあっている部分もあるので、色々なことができるんですね。
1つだけ例を出しますと、窓ガラスに貼ってあったステッカーを剥がした後に残る強力な粘着物、いわゆるネバネバが窓ガラスコートでは落ちない場合は、ピッチレスコートで落とすことができる、かもしれません。
落とせないほど強力な粘着物ものもありますので絶対落とせるとは限りませんが、落とせる可能性が高いです。
もしそのネバネバが落ちたら、その後はピッチレスコートの成分が油膜のように残りますので、その油を含む成分を窓ガラスコートで落とすのです。
補完しあっていますよね。
このようにうまく使うことで、出来ることが広がるのです。
試したことがない素材、やったことがない施工方法がたくさんある
ただ、これまでに多くの素材に使ってきましたが、まだ試したことがない素材や、想定以上の量を使うなどのやったことがない施工方法では、正直どうなるかは分かりませんw
やってみないと分かりませんw
先日、ピッチレスコートを使った方から問い合わせがありまして、CDやDVDの透明なケースにピッチレスコートを使ったら跡が残ってしまった、という内容でした。
これまでCDやDVDの透明なケースに使ったこともありましたが、跡が残ることが無かったので、ケースによって「なるもの」と「ならないもの」があるかもしれないと思いまして、実験をしてみました。
まずは、50枚セットのようにまとめ売りしている透明ケースや市販の音楽CDの透明ケースに対して、これまで使っていた量(容器の口のフチに付いただけの量)で試してみましたところ、問題なくお手入れできました。
この状態であれば問題無く使えると言っていいのですが、続いてピッチレスコートの量を大幅に増やしてみると…
なんとまあ使う量によって跡が残るとは…
指先で触ってもザラザラがはっきりと分かり、これがどれほどガッチリくっついているのか爪で擦ってみると歯が立ちませんでした。
これが、ピッチレスコートが素材を溶かした跡なのか、へばりついて落ちないだけなのかは分かりませんが、塗っている最中で今まで経験したことがないくらいスポンジが重くザラザラした感じがあったので、溶けている可能性もありますね。
この白い跡がスポンジで擦ったことで付いた跡だと思われる方のために、別の新しいスポンジでゴッシゴッシ擦ってみましたが、同じようにはなりません。
原因は素材の性質?
CDやDVDの透明なケースはPS(ポリスチレン)という素材でできておりましたので、そのポリスチレンの性質を調べたところ、かなりデリケートらしいので、もしかしたら…が考えられます。
特長の中にこのようなことが書かれていました。
薬品の保存にも使われるプラスチックは酸やアルカリに強いものが多いです。
しかし、スチレン系のプラスチックにレモンの汁などがかかるとその部分が溶けてしまいヒビ・割れの原因になります。
また、シール剥がし剤などにも同様の成分が使われていることがあるのでプラスチック商品のシールをはがすためにそういったものを使うと表面がざらつくことがあります。
使用上の注意をよく読んでご使用ください。
サナダグループ プラスチックメーカーが語るプラスチックの間違った使い方
スチレン系というのはポリスチレンも含まれるようで、シール剥がし剤…表面がざらつく…何だかそんな気がしてきましたね。
今回試した素材の他に、身の回りにあったアクリルなど7種類のプラスチックを施工したので、写真も使ってもう少し詳しく仕上げの参考書の中で書く予定です。
その他の素材も施工した結果だけお伝えしておきますと、今回の現象はポリスチレンの製品にだけ発生しました。
ポリスチレン以外の6種類は全く問題無いどころか、ツルッツルのピッカピカになりましたw
なので、ポリスチレン製のCD・DVDケース、レターケースの引き出し、ディスプレイケースなどの施工は、うまく使わないと少量でも部分的に曇りがでる可能性もありますので、慣れていない方や心配な方は使わないほうがいいと思います。
責任は一切持てませんのでねw
ABS樹脂も同様の現象が起こる可能性あり
このテスト当時には試さなかった透明なABS樹脂製のケースを、後日ピッチレスコートで施工してみたところ、CDケース等ポリスチレン製品と同じ現象が起こりました。
少量でも部分的に曇りがでる可能性がありますので、ご注意ください。
調べてみたところ、透明なABS樹脂は透明ABS樹脂(MABS)というらしく、よくある黒色のABS樹脂とは少々違うっぽいことが書いてありました。
このケースが透明ABS樹脂なのかABS樹脂なのか、どちらなのかは分かりません。
クリーティングコートは本当に多くの素材に対応できるのですが、中には今回のようなことも起こり得ますので、「全ての素材に対応できるわけではない」ということを念頭に置いて使うようにしてください。
クリーティングコートご購入時に明細書に挟んでいる注意書き「各クリーティングコートをお使いいただく前に」で書いているように、ピッチレスコートに限らず全てのクリーティングコートは、まずは目立たない部分などで試して問題無いことを確認してから、実際に施工したい部分に使うといいですね。
今はピッチレスコートの商品にも専用の注意書きを入れるようにしています。
今回のようなこともありますが、適材適所にうまく使えばピッチレスコートはじめクリーティングコートは色々なことができますので、どんどん楽しんで使っていただければと思う次第です!
ということで、以上です!
あらためて、実験は楽しいw
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